ob個展「となりあうもの」を見た

obさんが以前カイカイキキギャラリーで個展をしていた際に、イベントがあり、僕もその時お邪魔して一緒に話したことがある。それがきっかけでobさんのキュレーション展が中野ブロードウェイで開催されて、僕もそこへ参加させていただいたりした。あれから3年ほど経つ。今日が最終日で、ギリギリの所で見に行くことができた。

先日のアートフェアで見た一点の作品を除けば3年ぶり程にobさんの作品を見たと思う。アートフェアにはカイカイキキが久しぶりに参加していたみたいで、mrの作品がどーんと出ていたけれど、obさんの作品は小作品だった。

個展では大作が複数と、小さなドローイング群もあった。見れて良かった。

以前obさんの個展を訪れた際は、ボートの絵があった。ちょうど同じ年に東京都近代美術館で開催されていたピータードイグ展。obさんと配信で話していた際、ピータードイグの話があったと記憶している。obさんの過去の作品を見ても、どこか記憶や夢、人間の無意識の世界を描いているような印象があり、ボートはそこへ行くための乗り物なのではないかと思う。

世界が前よりも鮮明に描かれている印象があるが、光が拡散し、どこを見ているのかわからない少女の目は、やはり非現実の幻想の世界を思わせている。

背景にはタイルが映る。タイルの、水を弾き返して汚れを洗い流すその性質と、少女の目の反射がリンクして感じられた。

obさんの絵には鳥や猫、犬等、動物が多く登場していた。上の絵では鳥は群れを成し、少女もその一部になっているように見える。個ではなく、複数性の中に浸る、無意識的な動物の在り方や、ペットのネオテニー的な側面が少女と同調しているようにも見える。

ルドンの絵よう。白目を向いた目は少女の思考を読む他者の眼差しを跳ね返すように感じる。ルドンの絵画では植物と目のモチーフは度々登場する。

ルドンは顕微鏡を使ってよく微生物を観察していたが、obさんの動物への眼差しはもしかしたらそれに近いものがあるのかもしれないと思った。

美術手帖でパープルーム特集があった時にobさんの過去作が掲載されていたのも、obさんのルドン的な特徴と、梅津さんの菌のような画面が類似していたからだと思う。

追記:

会場では、馬と触れ合う少女の絵があった。ちょうど今日見た別の展示「Ao 青」と重なるところがあると思う。→シャルロット・デュマ「Ao 青」を見た/彼岸と馬、青い潮について | てつてつがく (tetutetugaku.com)

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