ショック・ドクトリン:魔法少女まどか☆マギカからシンゴジラへ、政府の男とキュゥべえの類似

最近、ショックドクトリンという本への解説書を読んだ。ディープステートまではいかなくとも、現代の社会を支配する構造を指摘する内容。読んでいて、シンゴジラや魔法少女まどか☆マギカのような支配関係にも通じるように感じた。ここで、本に書いてあったことと、そこから考えたことをメモしておく。

ー9.11後のアメリカ。テロとの戦争を掲げた直後、銃の売り上げは右肩上がり。疑問の声はかき消され、新自由主義が暴走を始める。これはアメリカに限らず、過去半世紀の間に政府が民衆をコントロールするために何度も使われてきだ手法だった。3.11による津波と原発のショックは、日本が次の標的になることを示す。

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1自由貿易と格差拡大:先進国と多国籍企業の利益追求

九十年代以降の自由貿易の結果、公的予算は削られ民営化、規制緩和が格差拡大を生み出した。グローバリゼーションはアメリカを中心に先進国と銀行家、多国籍企業の利益を最大化し、その他途上国の市民に犠牲を強いて拡大した。

2ハリケーンとワルプルギスの夜:災厄を利用する新自由主義の戦略

新自由主義の父、ミルトン・フリードマンはハリケーンによって破壊された学校について悲劇と言いつつも、これは教育システムを抜本的に改良するには絶好の機会だと言った。

そういえば、これと同じセリフをシンゴジラでも聞いた。

危機に便乗して過激な新自由主義がねじれこむ。魔法少女まどか☆マギカにおいても、ワルプルギスの夜という災厄の前で少女達を搾取するための契約を交わさせる。ワルプルギスの夜のデザインは、女性が歯車になって落下しているような造形の悪魔だった。魔法少女まどか☆マギカでの悪魔は、社会の中で歯車にされ搾取された女性たちの呪いのようなものだろう。(ちなみにシンウルトラマンでは、まどか☆マギカを彷彿とさせる構図のカットが複数ある:災厄を前に階段で絶望するシーン等)

3収容所から社会への拡散:CIAの実験とショック効果の恐ろしさ

CIAは長年捕虜を洗脳させるための実験を続けていた。被験者の知覚を何日も遮断させて過ごさせると、極度の混乱と幻覚、著しい知覚能力の低下を起こし、そのあと聞かされたメッセージに驚くほど受容的になるというもの。(1984:ディストピア小説)アメリカは秘密裏に研究が進められていた。被験者が、自分が誰なのか、時間的、空間的にどこにいるのかわからなくさせ、精神を破壊して白紙にするためのマニュアルを完成させた。これが1970年に情報公開法により明らかになる。

これは今でも、アフガニスタンやキューバ、イラクの収容所で使われている。

そして支配者は気づく。これを人間ではなく、一つの社会全体に、激しいショックを与えたらどうなるか。それがショックドクトリンだった。

4資本主義の幻想

フリードマンは神の見えざる手で社会がよくなると本気で信じていた。

純粋な資本主義の状態に戻すこと。一見悪くなく見える。ただ、完全な自由が自由を生まないことは明白だ。法の支配、偏りがあってこそ社会は機能する。全て帳消しにした結果が今の格差拡大だ。

自己責任社会はサバイバル化する。批評家の宇野常寛は進撃の巨人などの今の物語には、社会で生き抜くサバイバル精神が反映されているのではと依然言っていた。PUBGのようにみるみる狭まるエリアの中での生き残りをかけて戦うゲームの流行も、同じなのではないだろうか。

フリードマンはまるでウルトラマンのようだなと思う。。自らはそれが悪いことだと思わず始めたのに、その力が膨大な富を生むことを世界へ知らせてしまった。フリードマンのせいで、ウルトラマンのせいで、人類は再び支配への抵抗をしなければいけなくなった。

5クーデターと外国の介入:恐怖政治とメディアの役割

クーデターはその国にショックを与えるために工作員が送られて起こされる。アメリカはciaを使いチリを解体しのっとった。ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、チリなどに独裁政権が多いのは、アメリカが介入するために工作員が政治を動かしわざと恐怖政治をしているようだ。メディアは恐怖政治による人権侵害を切り離して考え、経済政策は素晴らしいとほめたたえた。

ショック療法に感銘を受けたイギリスのサッチャー首相。はじめは新自由主義を今は実行できないとしていたが、アルゼンチン軍との衝突で起きたフォークランド紛争で路線変更が起きた。イギリスが国防費を削っていたサッチャー革命が原因だったが、戦争というショックで国民は気づかずかなかった。サッチャー革命は怒りと悲しみで思考停止している国民に愛国心と外からの敵をすり込み、それによって支持率を回復した。紛争でも、両国の首相には都合よく働く。

北朝鮮がミサイルを打つとき、安倍晋三の支持率が低い時だけJアラートがなって危機を煽っている、というような発言をよくtwitterで見る。実際どうかはわからないが、それで政府はさらに防衛費を上乗せして支持率を上げて兵器購入でアメリカはさらに儲かる・・・。

サッチャーは国内のストライキを繰り返す労働者をうちなる敵として鎮圧。政府による監視がはじまる。サッチャーは、自らが軍事独裁政権をつくったりせずとも、他国を利用して新自由主義を国内で進めることが可能だと示した。貧富の格差を拡大させ、安全保障を再現なく拡大する交戦的ナショナリズム。富の内側にいる人間は国民を監視、監禁し自由を制限しはじめる。

日本はまだそこまで監視の強い国ではないとは思う。ただ、以前エドワードスノーデンがリークしたネットの監視は日本にも及んでいるらしい。国内の米軍基地が日本のネットワークにつながっていて、日本国内のすべての通信内容はアメリカ政府に流れるとかなんとかと依然教授が言っていた。

6シンゴジラと政治的介入:都合よく支配された国家

ショックドクトリンについて読んでいると、あのシンゴジラの政府の男のセリフが恐ろしくなっている。ゴジラで受けた被害よりも、それで国を建て直せることを是としていた。日本はアメリカを中心とする多国籍軍の介入を受け、首都の存続に対しての権利を失った。ゴジラに関する情報もアメリカに握られており、日本はそれに従うのみ。これのどこがwinwinなのか?結局都合よく支配されただけなのでは?

政府の男は庵野秀明のシンシリーズに毎回登場している。シンゴジラではアメリカと日本のパイプ。シンウルトラマンでも常にその時政治的に有力な権力者の下につき、シン仮面ライダーでは表向きでは英雄のサポーとをしつつ兵器開発も行う、庵野秀明のいう続編では実は悪の手先だったことが判明する。政府の男は常に権力の犬であり、新自由主義の送り込んだ工作員のようなものに感じる。

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